銀聯カードで日本のATMから引出し実例・手数料
「中国の貯金を日本に持ち帰りたい」という質問はたまに受けるのですが、最近もまた受けましたので、調べたことを、ここに少しまとめておきます。
まず、手数料ですが、日本での銀聯カード利用での引き出しは、その銀聯カードが、どこの銀行のカードかによって、0.5~1%で手数料が違います。引出せるのは一日5回まで、一日10,000元まで、です。1万円刻みでしか引出しできません。参考までに、3つの銀行の引出手数料を書いておきます(※トータルの手数料ではないので注意。両替手数料を含めたトータルの手数料は、下で算出していきます)。
■工商銀行:【引出額の1%+12元】+日本側で110円の手数料
※【引出額の1%+12元】は一回引出しにつき、最低14元、最高112元。
■建設銀行:同上
■招商銀行:【引出額の0.5%】 +日本側で110円の手数料
※【引出額の0.5%】は最低10元
銀聯カードで引出す様子
※ビデオが消されてしまいました。申し訳ありません。
日本語表示が無いので、最初、少し戸惑うかもしれません。Balance Inquiryが残高照会、Withdrawalが引出しです。
実際に銀聯カードを使って引き出してみたデータ
銀聯カードを利用して、日本のセブンイレブンのATMで引出してみました。2009年の10月のデータなので、少々古いのですが、1日に2回、朝と夕方に1万円ずつ引出して、テストしてみました。朝の9:56と、夕方の18:07に引き出しています。
中国工商銀行のカードを使ったので、ネットバンキングで取引明細を見てみると、こんなふうになっていました。
手数料として、中国元で引かれていたものは2つ。
引出し金額の1%+『跨费』12元でした(『跨费』は「またぐ」という字なので、国際ATM手数料みたいなものなんだと思います)。日本側に取られるはずの110円の記載が無いので、おそらく、両替額のほうに含まれていると考えられます。
両替手数料を計算してみる
では、気になる両替手数料を計算してみましょう。
- ●午前中の引出しで考えてみると
取引明細を見ると、1万円の引出しで、工商銀行から引かれた人民元は、767.82元となっています。ただ、ここには日本のATM手数料110円が含まれていると考えられるので、2009年10月19日9時57分の中国銀行レート1元=13.32円で計算すると、110円=8.26元。明細にある767.82元から、この8.26元を引いた、759.56元が1万円になったと考えられます。
759.56元=10000円こからレートを計算すると、
1元≒13.17円。
このレートで両替されたことになります。
一方、中国銀行で調べた2009年10月19日9時57分のレートは、1元=13.32円。
その差は0.15円。1.13%、両替手数料として上乗せしている計算となります。
しかし、実は、もう少し複雑です。
同じ1万円を引き出しているのに、午前中の引出しで引かれた元の額と、
午後の引出しで引かれた元の額が違うからです。これは、
『銀聯は、一日に一つのレートではなく、時間ごとにレートを変えている』
ということを意味します。
このページで、銀聯はその日のレートを発表しているんですが、
実際には、時間ごとにレートを変えているんですね。
【参考ページ】
Exchange Rate Inquiry-UnionPay
http://en.unionpay.com/front_ExchangeRate.html
なので、レートを変える時間が、毎秒毎秒ごとに変えているのか、1時間ごとに変えているのか、午前と午後で変えているのか、など、変えるタイミングの問題が不明であることと、さらに、1時間前のレートを基準に決めているのか、2時間前なのか、3時間前なのか、というズレの問題も不明なので、単純に、その時点で公表されているレートと比較しても、ピッタリとは、ならない、ということになります。(海外送金って、こういう話、多いです。苦笑)
- ●ちなみに、午後の引出しで同じ計算をしてみると、
762.96-8.26=754.7
754.7元=10000円
1元≒13.25円
2009年10月19日17時41分の中国銀行レートは、1元=13.28元。
差は、0.03円で、0.23%の両替手数料です。
さきほども書いたように、1日ごとではなく、時間でレートが変化するようなので、本来ならレートの変わるタイミングやズレなどを考慮に入れないと、正確な両替手数料がでないのですが、まあ、大体の目安として、日本で銀聯カードで引出すと、両替手数料として約1%取られるんだと考えて良さそうです。
ちなみに、中国の銀行でTTSレート(電信レート。現金じゃない両替)の場合、
元→円両替は0.4%なので、わりと良心的なレートと言えます。
まとめ:銀聯の手数料
両替手数料が大体1%ということがわかったので、
上で書いた3つの銀行ごとの手数料とあわせると、こうなります。
■工商銀行:引出額の2%+12元+110円
■建設銀行:同上
■招商銀行:引出額の1.5%+110円
あと、オマケですが、残高照会だけでも『4元』取られるのでご注意を(涙)。
2011年07月18日 コメント&トラックバック(6) | トラックバックURL |
カテゴリ: 中国から日本への送金 銀聯カード@日本のATM引出し
トラックバック&コメント
トラックバック
-
[...] 以前、結局両替はどこが一番お得か? という日記で、「中国人民元⇒日本円の両替の場合、中国の銀行でキャッシュカードを作り、日本のセブンイレブンのATMで引き出す方法が、手数料が安く済んでいいよ」、ということを書いた。で、その手数料なのだが、「多分1%くらい」という、インターネットで取り寄せた情報そのままに書いて、誤魔化していた。今まで何度も [...]
ピングバック投稿者: 中国の銀行のキャッシュカードで日本円引き出し……セブンイレブンATMの引き出し手数料が銀行によって全然違う | Leocaoの読者文摘☆Reader's Digest — 2013年12月24日
コメント
こんにちは。
早速分かりやすくまとめて下さりありがとうございます!
日本でセブン銀行で引き出したら
また2011年の様子もお伝えしたいと思います★
なごみさん、コメントありがとうございます!
ぜひぜひ、2011年の様子、教えてください。
ご報告、お待ちしております。
私は、中国で勤務している関係で、中国銀行に給与口座があります。先日(9月27日)日本に一時帰国した際、中国銀行の銀聯カードで 日本のセブン銀行のATMを使って中国元口座から 日本円を引き出してみました。一日最高で1万元という話は聞いていたので、引き出す金額を12万5千円から試してみました。12万5千円は 1万元を超えるようで ダメでした。・・・で、12万3千円で引き出し額を設定したら、出てきました! 12万3千円の日本紙幣が! ということで最近は 1000円単位での引き出しは可能なようです。 という 情報でした。
[...] 以前、結局両替はどこが一番お得か? という日記で、「中国人民元⇒日本円の両替の場合、中国の銀行でキャッシュカードを作り、日本のセブンイレブンのATMで引き出す方法が、手数料が安く済んでいいよ」、ということを書いた。で、その手数料なのだが、「多分1%くらい」という、インターネットで取り寄せた情報そのままに書いて、誤魔化していた。今まで何度も [...]
私は2012年4月まで6年間上海に駐在していました。参考情報です。
中国銀行と浦東発展銀行に合わせて60万元の預金が残っていましたが、円が高い時期の帰任だったのでそのままおいてあります。日本では浦東発展銀行のJALカード(銀聯)で買い物などに使っています。手数料はかからないようです。しかもマイルも付いてきます。日本語でのコールセンター対応もあり満足してます。今年度から年会費も永久無料になりました。
また、日本でATMでの引き出しは、コンビニや銀行では100-200円の手数料がかかりますが、イオン銀行のATMなら無料ですよ。
是非一度お試し下さい。
浦東発展銀行、日本語でのコールセンター対応って、良いですね!
JALカードという使い方も、すごく良いと思います。選択肢として、アリですね。
イオン銀行も、次回試してみることにします。
良い情報をありがとうございます!